本格的なメイカーズ工房「Maker’s」を見学してきました
神戸のポートアイランドに2013年9月2日に新しくオープンした、日本初という本格的なメイカーズ工房「Maker’s」を見学してきました。
本格的なモノづくりへのハードルがどんどん下がってきている
書籍「フリー~〈無料〉からお金を生みだす新戦略」で世間を沸かせた米国ワイアード誌編集長 クリス・アンダーソン氏が、近著「MAKERS―21世紀の産業革命が始まる
」で“大量生産の時代は終わり、21世紀の産業革命が始まった”と語られたのを皮切りに、本格的なモノづくりへのハードルがどんどん下がってきている感があります。
そんな中、昨年辺りから今年にかけて、主に関東の方ですが、FabCafeやHappyPrintersなどのモノづくりを支援するサービスも立ち上がってきています。
弊社でもすごく小さな規模ですが、その一端を体験すべく昨年からいろいろと企画しておりまして、その直近の成果が8月から販売を始めた「イヤホンコードクリップnop-nop(ノップ・ノップ)」をはじめとする、「ぷるぷろ(PLEPRO)」で販売中のモノたちです。
国内有数規模のメイカーズ工房
で、本題の「Maker’s」ですが、Twitterでどなたかがシェアしていたものが目にとまりまして、この手の施設が関西では珍しいということと、規模的にも国内有数だということだったので、少し業務時間を割いて見学へ伺ってきました。
場所は神戸のポートアイランド内、神戸国際ビジネスセンター(KIBCビル)南館2F。
エレベーターで2階に降り立つとすぐに案内パネルがお出迎え。
細かいところですが、このパネルもここの施設内のUVプリンターを使って制作されたものだそうです。
見学を始めるにあたっては、軽く施設のコンセプトや設備を説明頂いた後、工場の中へ案内されます。
工場内で最初に紹介頂いたのは、昨今注目度の高い3Dプリンター。
こちらに設置されている3Dプリンターは、初級者用にMakerBot社製の「Replicator2X」と中上級者用にKeyence社製の「Agilista」。
中の人は「Replicator2X」のことをオモチャと呼ぶんだそうです。
まぁ、Keyence社製のものから比べるとそうなりますよね 🙂
下の写真は「Agilista」と今回ご案内を頂いた、代表の五十嵐さん。とても気さくな方でおしゃべりも面白かったです。
うまく写真を撮れませんでしたが、下の写真が3Dプリンターで出力したモノ。赤い樹脂のモノが「Replicator2X」製で、透明に近い樹脂のモノが「Agilista」製です。
どちらも層を積み重ねて立体化していくタイプの製品で、文字通り積層型3Dプリンターと呼ばれるものですが、双方の大きな違いは積層厚にあり、前者が100μに対して後者は15μと差は歴然です。
手前のiPhoneケースはSteve Jobsの顔をレリーフ状に制作したものらしいですが、あまり似てませんでした 😛
次の設備は、この施設の中で一番大型の機械で、高速タイプのレーザー加工機 SEI製の「MERCURY 609」という代物。
実際に動作している様子も見せて頂きましたが、非常に精度の高い加工をビュンビュンこなしていました。
こちらのクラスになると、プロトタイプの制作用途だけではなく、実際の製品レベルにもなるとのことで、国内のLED照明のパネルは、この「MERCURY 906」で加工したものが沢山あるとのことでした。
同じレーザー加工機では、これ以外にも中型機から小型機まで、(この手の施設の標準的な規模が分からないのですが、、)割と豊富に揃えられている印象でした。
ちなみに小型機は「GCC C180Ⅱ」という機種を使うことができます。
その次はUVプリンター。
身近なところではスマートフォンのケースのプリントなどに用いられてるのがこの手のプリンターで、最近の機種では指で擦ったり、少々爪で引っかいた程度では、印刷面が剥がれることはないということでした。
そういえば、弊社で取り扱っているSmartTubオリジナルのiPhoneケースもUVプリンターでプリントしているのですが、ヘビーに日常使いしている私のiPhoneケースもかれこれ使い始めて10ヶ月程になりますが、特に印刷面の剥がれはありません、すごいですね。
あとはレーザー加工機にはできない処理(垂直にではなく斜めに削り取ったり)や素材(金属と発砲素材の複合素材など)が扱える CNCルーターも紹介頂きましたが、そろそろ一時に吸収できる情報量的にいっぱいいっぱいな感じかなーという頃合いの良いところで見学終了となりました。
こちらの施設は基本的に自分で工作機を操作して使うことが前提になっているので、各設備の利用にあたっては簡単なライセンス的なものの取得が前提であったり、月次の会員制という制度もあったりで、気軽に使うことができるとは言い難いですが、それこそ使い様によっては省ロットながら本格的な製品の製造が可能なので、いろいろと刺激を受けた半日でした。
見学は現在のところ毎週水曜日と木曜日のそれぞれ午前中に開催されているようですので、興味のある方は少し時間の都合をつけて訪問されてはいかがでしょうか?
そういえば、見学当日は朝日新聞の記者さんが取材に来られていて私も軽く取材を受けたので、ひょっとすると近々紙面に掲載されるのかも知れません。
[追記:2013.11.13]
Maker’s さんのメディア掲載情報のページも朝日新聞の該当記事が掲載されていました。
・「朝日新聞(神戸版)」にMAKER'Sが紹介されました!|本格的なものづくり工房MAKER'S(メイカーズ)
[追記:2013.10.18]
実際に記事になったようで、朝日新聞のサイトでは下記で見られます。(記事全文を閲覧するには会員登録が必要です)
・朝日新聞デジタル:3Dプリンター会員制サービス 神戸に共同作業場 – 兵庫 – 地域
※ 記事が掲載されたことに気づかず、Twitterのお友達に教えて頂きました、ありがとうございます。