タンジブル・ユーザーインターフェース(TUI)
最近ピピっときた言葉、「タンジブル・ユーザーインターフェース(TUI)」について。
ヒトと機械を結ぶ境界線にあるインターフェース、パーソナル・コンピュータでは、初期のコマンドライン入力から現在のグラフィカル・ユーザーインターフェース(GUI)、銀行のATM端末のタッチパネル等もひとつのインターフェースな訳ですが、どれも決定的に使いやすいといったものはまだ存在していません。
そんな中で、ひとつの方向性を模索しているのがこの「タンジブル・ユーザーインターフェース」です。
タンジブル(触覚できる)という言葉の通り、リモコンやマウス、キ−ボ−ドの類(たぐい)を一切使わず、自分で見たり、触れたりすることで情報を得られるようにするものをいいます。直感的に理解できるインターフェースといったところでしょうか。
調べたところによると、この研究を進めておられる第一人者に、MITメディア・ラボ教授の石井裕さんという方がおられるようで、手に取ることが難しい情報の列:ビットを、具体的に、直感的に表現する技術を研究しているのだそうです。この方の言葉で、
「将来、「どこでもコンピュータ」の時代が来ると言われている。しかし、どこででもキーボードをたたき、どこででもスクリーンを見ることができるということは、人間の幸福につながるのか。目分量で調味料を入れておいしい料理を作ってくれた母が、http://などと入力して味を調整するようになるとは、私には信じられない。コンピュータとのインターフェースは、もっと人間的になるべきだ。」
というのが印象的でした。
確かにそうだと思います。
PC等のインターフェースは、与えられたものを不便であったとしても、そういうものだと思い込んで使ってしまっているところがあり、開発者側もその枠内から脱しきれないところがあるんだと思います。
「タンジブル・ユーザーインターフェース」からは少し離れるかも知れませんが、少し前のトム・クルーズ主演の映画「マイノリティリポート」の中でも、事件の容疑者を捜査する際に、デ−タベ−スから情報を取り出すのにジェスチャーを取り入れたインターフェイスを採用していたのも、今後の方向性のひとつとしてはありえるんでしょうね。
そのインターフェースに似た、地図を対象にしたものが海外のサイトで紹介されています。
ナローバンドだとちょっとキツイかもしれませんが、mpegムービーで実際の使用シ−ンを想定したつくりになっています。スゴク興味深い映像ですので、一度見てみて下さい。
・Touch Table(クリックするとム−ビ−が始まります)