メタ・ノート

iPhoneアプリ「SORA」への思い出

この度、iPhoneアプリとして株式会社そらかぜさんからリリース/配信されておりました「SORA」が配信停止となりました。

まずは「SORA」を購入/愛用頂いた方々への感謝と、そして今回Appleの方針と諸事情を鑑みた結果配信を継続できなくなったことを非常に残念に思っています。

SORAが最初にリリースされたのは今から6年前で、当時はiPhoneの画面サイズが2、3種類しかなく、昨今の多様な画面サイズを想定した実装ではないため、その辺りに支障がでてきたた事情でこのままでのストアでの公開はできないとAppleからの通達があり、諸般の事情を考慮した結果今回の決断に至ったということです。

SORAは、エンジニアリングを株式会社そらかぜさん(リリース当初は株式会社フィードテイラーさん)、デザインを弊社が担当していて、株式会社そらかぜさん名義で公開/配信されていました。

搭載されていた2種類の画面デザインは、私を含む2名のデザイナーが各々天気アプリとして斬新な画面デザインと操作性を追求しようという思いで開発にあたりました。

画面デザインには、「gradient」と「graph」と名付けられたものがあり、私は前者の「gradient」を担当しました。せっかくなのでアプリ内にある説明をキャプチャーしたものを貼っておきます。

特徴としては上の通りですが、私が担当した gradient では、当時のアプリインターフェイスで実現できうる限りの手触り感にこだわってエンジニアさんと議論を重ねたのを憶えています。

アニメーションを利用して操作する指に追随して吸い付くようなインターフェイスを目指したのですが、今考えると近年Appleが提唱しているFluid Interfaceの前身のようなものを目指していたのかもと思ったり。まぁ、後付けなので何とでも言えるのですけれど…。

あとは、ずっと起動したまま使えるような天気アプリを作るとしたらどんな要素が必要だろうかとも思って考えたのが、天気や時間によって変化するグラデーションと環境音でした。

随分と時間をかけて試行錯誤を重ねたものの、アプリを取り巻く環境やApp Storeの変化、ユーティリティ系からゲーム系への市場のシフトなど、当初想定していた到達点には及ばず開発リソースを投入し続けることができませんでした。

しかしながら、この「SORA」の開発で得られた知見や経験は脈々と「そら案内」やその系列アプリにも受け継がれており、今後もその受け継いだものを大切にして開発にあたりたいと思っています。

その「そら案内」は、直近でiOS 14のウィジェットに対応したバージョン10をリリースしていて、最初のバージョンが登場して10年以上の月日を経ています。

iOSの進化に並行して進化を続けている「そら案内」にも是非ご期待頂けたらうれしいです。

‎そら案内
‎そら案内
開発者: sorakaze Inc.
金額: 無料+

そら案内オフィシャルサイト
https://sora-annai.jp/