Maker’s で制作したものの記録:その5(新たな機材をマスター)
Maker’s神戸で制作したものの記録、5回目になる今回は、レーザー加工機に続いて新たな機材のライセンスを取得しまして、その制作記録になります。
取得したライセンスは、UVプリンター(ROLAND LEF-20)を取り扱うためのもので、このプリンターを使うことで、木、アクリル、ゴム、皮革、紙、生地などへシルク印刷なみの耐刷力を持つ印刷が可能ということ。
私自身ではまだアクリル素材にしかプリントしたことがないので、ゴムや皮革、紙、生地などの柔軟な素材でどのようになるのかは検証できていませんが、今後機会をつくって挑戦してみたいと思います。
まず最初に試したのは、ありふれてはいますが、巷で販売されている無地のiPhoneケースへのプリント。
仕上がりに関しては、以前外部の業者さんにお願いして制作した「SmartTubオリジナル iPhone用クリアケース」である程度把握はしていましたが、実際に自分で機材を操作して出来上がってくると、また格別な感じがしますね。
お試しプリントということで、デザインは試作プロダクト No.02でも登場した、デザイン重視のiPhone用お天気アプリ「SORA」のデザインテーマ「gradient」のキャラクターを使ってサクっと作ってみました。
左側がSmartTubオリジナル iPhone用クリアケース、右が今回プリントしたもの。
見た目に違いはなく、満足できる仕上がりでした。
そして本題の制作物はこちら。
アクリル素材へのプリントだけでは面白くなかったので、これまでに制作してきたレーザー加工技術と組み合わせて、フォトフレーム的なものを作ってみました。
まずフレームの方ですが、レーザー加工機では素材をカットするのに厚みの限度があり、よく使っているMDF板では、経験上9ミリ位が限界のようで、それ以上の厚みを取り扱うにはどうすれば、、というところで、3Dプリンターのように積層型で立体を構成すれば良いのではと思いつき、2.5ミリ厚のMDF板を複数組み合わせて構成してみることにしました。
上の写真では少し分かりにくいですが、フレーム自体の側面の厚みは18ミリ程あり、よく見て頂くとバームクーヘンの断面のように積層されているのが判ると思います。
バラしてみるとこんな感じになります。
この方法を使えば、このような単純な形状以外にも、いろいろ面白いものができるかも知れませんね。
次に、中の絵柄、アクリル板にUVプリントしたものですが、こちらの特徴は、絵柄を立体的に見せるためにひとつの絵柄を数枚のレーヤー状に分解してプリントしたところです。
複数重ねることを前提にしているので、アクリル板は3ミリ厚の薄いものをチョイスしました。
この制作手法のヒントになったのはこの辺りの作品から。
3D Paper Dioramas of Classic Videogames
アクリル板を分解するとこんな感じになっています。
ちょっと例が古いですが、この手法を使って「ウォーリーを探せ」のような細かい絵柄で、大きなサイズのプリント作品を作ってみるのも面白そうです。
というところで、試作プロダクト No.06のご紹介でした。
次回がこれまでに制作したものの、ひとまずの最終回になります。
▼ 前回までのエントリーはこちら
・Maker’s で制作したものの記録(最初の一歩)
・Maker’s で制作したものの記録:その2(さらに素材を変えてみる)
・Maker’s で制作したものの記録:その3(調子にのって)